風邪は一年中ひく人はいますが、やはり体力が落ちないと風邪は引きません。
学生で風邪をひいて身体がだるく、咽の痛みがあると言って来院しました。
こういう場合、必ず触診するのは、甲状軟骨と気管軟骨輪、輪状軟骨のあたりです。
それと乳様突起の下のリンパ節、下顎リンパのあるところを確認すると一定方向に皮膚が引っぱられるような感じがします。リンパ管の多く集まるところです。ただ触診して圧痛を確認するのではなく、それらの影響も調べます。
つまり、どこに影響している可能性があるかを調べます。
異常側の甲状軟骨や輪状軟骨は必ず腫れています。右側が腫れたら、甲状軟骨は左回旋します。それが気管軟骨輪まで同側で回旋する場合もあれば下部で逆に右回旋する場合もあります。
乳様突起の腫れも同調して左回旋することが殆どなので、頸椎の1番も左回旋します。
つまり、頭部の上部は左回旋気味になり、右に回旋しにくくなります。また右側屈もやりにくくなります。それは皮膚の緊張を調べれば一瞬でわかります。
腫れは必ず皮膚の緊張を伴いますので、皮膚張力検査法を行えば、軽く触れれば一瞬でその変化がよくわかります。
この子の場合、陽明系の反応だったので、胃のあたりのリンパ系とも同調していました。同調しているのと影響を与えているのは違います。一つの異常部位から様々な器官への影響と、同調しているところも調べられます。口腔内の粘膜も腫れるので、粘膜系の「熱」もあると考えられます。
これによって咽の痛みや微熱があるということです。
それを調整するのに手に金粒を貼りました。4箇所です。右手と左手です。
それと同時に一瞬でこれらの反応が抜け落ち、首や咽の緊張はなくなります。
この反応を起こしているもうひとつの原因は、左足の臀部から大腿後側の皮膚反応でした。
左臀部をカイロで温めるように指示して終わりました。
咽の痛みもなくなり、軽く発汗したので微熱も治まっていくでしょう。
鍼灸治療(この場合は金粒を貼っただけ)は風邪の治療はかなり効果的です。勢いのある風邪は、休息と身体を温め発汗して毒素を出してあげる必要がありますが、内熱で身体は動けるけど調子がイマイチな感じという状態の治療にはかなり効果的です。
何度か書いているように、この状態が発展するとうつ症状になったりするのではないかと思います。
当然高熱がでている状態でも咽系の腫れはありますが、高熱による咽の腫れは体力のある証拠です。余程でなければ放置して良いと思いますが、問題は微熱です。
風邪は万病の元です。それは様々な場所に影響を与えます。
0コメント