初診時に、首を上向いた写真を撮らせてもらいます。
首の腫れがあるのですが、写真を見て気づきますか?
本人も気づいていません。
頭痛と熱がこもる感じで汗をかけないという症状の方です。
このような例は、よくある例というか女性に多いのですが、本人は首が腫れているとは気づかないぐらいなのですが、頭部症状に大きく影響を与えます。
特に下顎から下顎角のライン上に問題があると自律神経症状とも関係します。
甲状軟骨部を軽く触れる程度でも強烈な痛みです。もちろん咽の痛みは訴えていません。
パッと見ただけではわからないと思いますが、右の首のラインと左の首のラインを見比べるとわかります。右が僅かですがプクッとしているのがわかると思います。それだけでなく下顎と舌骨の間が近づき咽の腫れで引っぱられているような感じに見えます。下顎ラインの変化です。
舌を見ても歯根があり、胖大になっています。あきらかに「水」の流れの異常だとわかりますが、このあたりの観察は東洋医学的観察が有効です。それでも手足が浮腫むような症状はありませんので、一般的には「水」の異常だとはわからないでしょうね。つまり「水」は「水」でも部分的「水」なんです。全体的「水」ではありません。頭頚部に強い「水」反応があらわれると舌所見も強くなります。舌だけを観察しただけでは、この理解が難しいでしょう。
こういう場合は、こまかく首の緊張状態を確認します。緊張状態を確認すると言っても軽く触れて軽く皮膚を引っぱるだけです。この観察にはテクニックがいります。これがなかなか難しいです。手ほどきが必要です。
頸椎上部が左前に引っぱられる状態になり頸椎下部の右は右回旋異常、左上部頸椎は左回旋異常という複雑な変化をします。それと同時に左上顎と前頭部が左前に出て、左回旋異常を起こしていますが、右の篩骨洞あたりは右回旋異常を起こしています。顔面頭蓋で右へ行ったり左へ行ったりしているのです。
それでは頭の痛みがあっても当然でしょう。
こんな状況なので頭や目の奥には相当なストレスがかかる訳です。これを改善しなければ頭の痛みはなくなりません。目を使い過ぎても症状が起こりやすくなります。これらの異常がなくなると頭の痛みがなくなっていきました。頭がスッとする感じでなくなるのです。
頭痛のため仕事にならないのでロキソニンを飲むらしいのですが、当然効きません。それと同時に胃腸が弱っている感じになりますので、胃腸障害もでています。それは左足の第二指の緊張が強く前脛骨筋下部が腫れていることでもわかります。
ここが腫れてくると胃腸の調子が悪くなります。ロキソニンを飲み続ければ消化管出血を起こしてもおかしくないですからね。基本的に左足の第二指側で踏ん張れないという状況になります。これでは足底アーチの機能が相当落ちますし、第二指の根本に魚の目やタコができます。
まだまだ観察は必要ですが、簡単に良くなる状態ではありません。頭痛でも肩凝りでも腰痛でも、同じものは何一つありません。常にその人にとっての頭痛であり、その人にとっての肩凝りです。
痛みは千差万別で個人的なものです。痛み止めで治る訳ではありません。
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