長引く足の痛みや腰の痛みを訴える人は多いです。
どうしても痛みのある場所に注目してしまいます。
痛みのある場所には、全然異常を認めないのに、痛みに注目してしまいます。
その注意をそらすことは、とても大事な治療行為ですが、一見すると、意味のない治療行為に見える場合も確かにあります。全く無関係なところを刺激する訳ですから、まやかしのように見えることもあるでしょう。
しかし、実際に痛みが軽減している訳ですからね。
いわゆる脊柱管狭窄と呼ばれているような痛みやしびれ、慢性的な歩行困難が良くなってくることがあります。歩く姿も痛々しい程ですが、調整するとスタスタ歩く。
でもまた帰ると痛みが出てくる。
そこには歴然とした理由があります。
その理由に焦点を向けさせるのは至難の業です。
工夫はしていますが、まだまだ足りません。
最初から諦めていては良くなることはありえません。
しかし、そういう方は、諦めています。
痛みが続きすぎると、痛みという囲いから逃れられないことが多くなります。
長く監禁された人が、逃げられるのに逃げないという心理状態に似ているように思います。
うまく抜け道を作って囲いから逃げさせる必要がある訳ですが、そう簡単なことではないようです。
きっと本人は、その囲いの中に居るということすら認識していないのでしょうね。
囲いから出る勇気を奮い立たせることが医療者の最も行うべき道だろうと思います。
道は開いています。
あとは一歩を踏み出すだけです。
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