足や腰の痛みを訴える人は多いと思います。
この写真を見て思うことは、左足首が気になります。
症状は左足に出るように思いますが、実際は右足と右腰です。
つまり両足の問題があるということですが、どちらが優位か?
が問題になると思います。
実は、身体全体に影響があるのは足の問題ではありません。頸椎三番の右前上あたりが問題です。
そこから右背中、右腰の一部、右仙骨部に影響があります。
全身に影響を与えているので、当然足にも影響がでています。しかし、頸椎三番の足への影響は1割ぐらいしかありません。
それでは調整する意味がない?
順番です。
いわゆる治本法と呼ばれる調整(この場合、頸椎三番)を行っても足は、それほど楽にはなりません。それでも頸椎3番の治療がが先です。この時に足から調整すると問題が複雑になります。
治療には順番がとても大事です。
何を主役にするのかは、とても重要な診断です。脉診などでも全体への影響は何かという問いかけをすれば、右の寸が異常だとわかるはずです。単純に脉診をしてもわかりません。
調整するとそれが消えて、足への反応が1割だけ消えます。この1割消えるのが重要です。それと重要なのが胸椎下部の緊張です。
写真を見てもわかりますが、胸椎中部から下部で左右にひろがる緊張があると思います。特に右が大きく、左が小さいのですが、右は表面、左は奧になります。側胸部を軽く触るとくすぐったいような緊張があるのがその証拠です。
右側はかなり広範囲に影響がでていますが、頸椎3番を調整すると、この反応は確実に消え、くすぐったい感覚がなくなりました。
つまり頸椎三番は、上半身に影響している異常ですが、足にも関係し、足の治療を解くカギのような役割をしているということです。
頸椎の調整をしても右仙骨の一部の反応は残ります。
その後に足は触ってみると当然緊張があります。左は足首周囲に異常が集中しているし、右は大腿から下腿前外側に縦長の緊張があります。左右を比べてみても前脛骨筋の緊張は顕著です。
しかし、左右が同じように緊張しているというのは構造上ありえません。
よく観察すると右は前脛骨筋の外側、左は前脛骨筋の内側の異常緊張がありました。
足に関する局所治療としては、座骨から恥骨周囲のリンパ系の反応が問題になります。これを調整すると左右の足が柔らかくなり、立位で踏ん張れるような感じになりました。
しかし、筋骨がしっかりした人の足をユルユルにすると逆に問題がでてきます。
柔らかすぎることは決して、人によっては良いことではありません。
筋骨のしっかりした人というのは、弱刺激をするような治療家側からすると、敏感でないと思われがちですが、実際は違います。
この方も順番を間違えずに丁寧に調整していくと確実に調整されていくのがわかってもらったようです。勉強会にも参加して頂いて、更に理解が深まっていったのではないかと思います。
どこを目標にするのかが、とても重要で、筋肉をユルユルにすることを目標にすることは決して有益な調整とは言えません。
つまり全体的に安定させられれば十分だということです。
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