交通事故で、頸椎を損傷し、鞭打ちになってしまった。
という場合がありますが、頸椎そのものが骨折したりして、神経を物理的に圧迫したりしていない限り基本的には、捻挫と同じ損傷のはずです。
捻挫だと通常は、酷いものでない限り、放置しても1~2週間ぐらい、酷いものであっても3週間ぐらいでは治まってくるはずです。
しかし、事故の後遺症は、不思議と長く続きます。
1週間ぐらいしてから痛みを起こす場合もあります。これも通常の損傷ではあり得ない話しです。
なぜなんでしょうか?
事故は肉体だけでなく、精神的にも損傷を引き起こすからだと思います。交通事故で保険を使って整形外科に3ヶ月通ったけど、痛みがとれず、あちこち痛みがでてきたりすることも多いと思います。精神から来る痛みの可能性もあるということですが、精神が弱いというより、精神に影響を与える脳の機能障害という考え方もありだと思います。長引くと向精神薬を投与されたりすることもありますが、原因の解明になっているとは思えません。
投薬しても劇的に良くなったという話しはあまり聞きません。
また、末梢性神経障害性疼痛を治す薬を投与されたりしている人もいましたが、私の嫌いなエビデンスから考えても鞭打ちがそれで良くなるとは思えません。そういうエビデンスもないと思うのですが、普通に投薬されていることも多々あります。
何か他の原因が関係しているのではないか?
そう考えて、身体の反応を探っていくと面白い現象が起こったりします。人それぞれですから、必ずそうなるとは言えないですが、慢性的な痛みに対して、脳の視床にアプローチをすることで一定の効果をあげることができたりします。
視床は、臭覚以外の感覚が通るところです。運動や感覚の中枢であり、その経路と言えるところです。脳神経の刺激の面白いところは、感覚にしろ、運動にしろ、まとまった情報が小さい領域に集まっているというところです。
鍼灸治療でも、耳や手と言った部分に全身を投影し、その小さい領域に刺激をして効果を得るという方法があります。領域が小さいということは、鍼のような面積の小さいもので刺激をしても、影響が大きいと言うことかもわかりません。
脳は、リアルに神経の伝達する部位であり、感覚そのものの神経が集まっている場所と言える訳ですから、当然その影響は大きいと思われます。
視床は、感覚や感情にも影響する部分の経路が通っています。感覚と感情が小さな部位に影響を与える中枢の場所です。まぁ、そもそも感覚や感情をわけて考えること自体が本来おかしいのですが、それらが集まっているところですから、何らかの刺激をすることで変化が起こる可能性は否定できませんよね。もちろん頭蓋を開いて刺激をするというような乱暴な方法ではありませんよ。
そんなことしなくても良くなる可能性はあります。
イメージの世界なら、簡単にそれを行うことが可能です。あくまでもイメージですから、術者の技量によって効果の違いもありえます。とても非科学的な方法です。
それでも鞭打ち損傷で長い間、症状が改善しないという場合などは、かなり効果的なこともありますし、劇的に変化してしまうこともあります。
長い間、症状があるということは、物理的な問題はなくなっていることが多いということです。つまり、外的損傷は殆ど良くなっているが、機能的に問題があるという状態です。
だから1ヶ月以上たってから症状が改善しないということで来院される方も少なくありません。
視床は様々な感覚の経路が通る場所なので、長引く症状と無関係でないだろうという予測は、医学書を普通に見れば素人でもわかることだと思います。
ねらい所が視床だから必ず頭を刺激しなければならないかというとそうでもありません。身体のどこからアプローチをしても影響は出ます。
事故から1年以上たって、頭部への刺激をしただけで、首や肩の動きや緊張がなくなり、視界があかるくなり、気分がすっきりしたというような例は、普通に起こります。決して珍しいことでもないと思います。それと同時に呼吸が深くなり、姿勢も変化してきます。
なぜそんなことが起こるのか?
それを考えていくことが医学の発展につながるのだと思います。
統計や科学的、エビデンスということが、あまりにも重視され、どれぐらいの効果があるのかということを競っているようにしか見えない。それが現代医学の盲点なんじゃないかとも思います。
医学の基礎的な発展は、そういう考え方ではないように思います。そういうことを重視しすぎる西洋医学は、基本的に戦いの医学なんだなぁ~と最近よく思います。
負けた側はゼロで、勝った側が100なんて現実的にはありえないはずですが、それがマニュアル化されているのですから、少し考えたら怖い話しだと思いませんか?
そして、そんなやり方が日本人に合うのでしょうか?
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