昨日の続きです。
まず、最初に問題になったのは、患側の首から腕です。
このあたりに何らかの炎症反応があるという予測を立てました。
咽頭部は、炎症を起こす最も多い部分と言えます。
空気が出入りする訳ですから、当然考えられます。
丁度、患側の舌骨の高さの咽頭部、咽頭から喉頭にかけての部分の熱反応です。
ここの異常は、全身に影響を与えます。風邪は万病の元ですから、炎症反応はリンパや血管を通って、全身に影響を与える可能性があります。 まず、この考えができない人が多いのではないかと思います。
首を触ってみると当然、咽のあたりにも圧痛があって、右手の方まで響いています。関連痛です。
と言っても、その自覚症状は、本人にはありません。
肩関節のも検査はしませんでしたが、関節の可動状態は悪かっただろうと思います。
咽からくる首と手の問題があるだろうという予測がつきます。 ここに東洋医学で言う陽明系の水分代謝異常を伴う熱反応がありました。
この影響が及ぼす骨の反応は、頸椎3番、胸椎3、7、10、腰椎5番、仙椎3番、肩甲骨の中央から上腕骨の後側、尺骨、手の小指側と広範囲に影響しています。
その影響は、仙骨を通って、大腿後側から腓骨側にまわって、足の小指側に影響しています。
その中でも特に胸椎7番の右回旋異常は強く、この異常は肝臓にも影響しているように思いました。疲れやストレスがある時にこういう反応を示します。
首の回旋運動にも影響が起こります。頸椎3番と胸椎7番の異常が顕著でした。
胸椎が右回旋異常を起こしているので、右足はあがりにくくなります。物理的な運動にも影響があらわれます。その結果、足に痛みが出たと考えると辻褄があうようにも思います。
もちろん、それが本当かどうかは検証してみなくてはなりません。
咽の腫れという一部分の影響が多岐にわたり症状を起こしているということです。
鼻腔で炎症を起こしてる場合も多いですが、この方の場合、咽頭で炎症反応を起こしていました。
風邪を自覚している訳でもありませんが、そのことを告げると、年末にインフルエンザになって、寝込んだらしく、その後、運動らしい運動はしていないと言っていたのですが、腰痛もその頃から起こってきたということです。
インフルが不完全に治癒した場合に、こういうことがよく起こりやすくなります。インフルを含む風邪は熱が下がったら治ったという誤った考え方はしない方がいいです。
そのあと腰痛になり、腰痛は楽になったが、足の痛みが強くなったということです。
因果関係がないとは言えませんよね。
咽頭を狙って経筋系の調整を行うと、咽の反応や腕の反応は綺麗になくなっていきました。
実は、これだけでも身体は変化していますので、圧痛は減弱、関節の可動状態は良くなっています。
しかし、次の日、痛みが再発しました。
痛みが軽くなると動きたくなります。しかし、動くと痛みが再発することがあります。それでも身体の要求に従って身体を動かした訳ですから、私は悪いことだとは思いません。
一生懸命身体がバランスをとろうとしている段階です。
想定内の痛みだと判断しました。
何故なら前日にあった上半身の異常は綺麗になくなっています。ここが踏ん張り時ですね。
痛みが再発すると、やっぱりヘルニアがあるからか・・・。
と自分自身で暗示にかけてしまうんじゃないかと思います。
だから手術しかないじゃないかと弱気になってしまいます。
身体の動きが変化する時は、ある程度痛みを伴うことがあります。
このような精神状態が動きをかばい、また新しい痛みを作ります。このようにして、圧痛が増えていきます。
その良い例が五十肩です。良くなると可動域が広がり、動かしてしまうと痛みがいったん強くなったように感じるのが肩の痛みです。石灰沈着し、固まっていた関節が動きはじめると、痛みがでてくる場合があります。それも想定内の痛みです。
それと同じで、今まで動かなかったところが動くと痛みが出ることがあります。しかし、動かなかったところが動きはじめたというのは機能回復してきたということですから良くなっているのは間違いありません。
動かし方を少しずつ変化させていくことが大事になってきますが、一番大事なことは精神的なことでしょう。
痛み=悪
その悪はヘルニア
という図式ができていると、手術しかないという考えになってしまいます。その考えが固まれば、本当に手術しかなくなります。それは否定しませんが、徐々に動かしていくという方法をとると、少しずつ変化してきます。
頑張らない。
無理やりやらない。
一生懸命やらない。
一生懸命頑張り、結果を求める人に多いのがヘルニアです。精神と無茶苦茶関係があると思います。悩ましいことですが、選択肢はひろがっています。焦らないでやっていければ徐々に良い方向にいくだろうと予測できます。
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