治療においても身体の使い方というのは本当に大事だと思います。
身体の使い方というよりも意識の使い方なのかも分かりません。特に手足の力を抜くというのは、とても大事で、体幹から手に力が流れるというのが大事なことだと思います。
これは合気道の技にも通じることがあると思うのですが、地面からのエネルギーを指先に伝えるというようなやり方です。 この時には完全に脱力するのではなく、可能な限り手足に力を入れないということになると思います。つまり体幹にエネルギーを蓄えて、それを手足から放出するイメージだと思います。
このような身体の使い方をすると鍼治療の効果も高まります。手先の力は使わずに、うねりが鍼先に到達する感じです。丁度、鞭の原理と同じです。
鞭を持っている手はあまり動かしませんが、鞭は先に行くほど力が強くなります。この原理と全く同じだと考えられます。つまりうねりを作るということですが、元々関節にはそういう構造が備わっています。多軸関節と単軸関節の組み合わせで力を出せるようになっています。
鍼治療の上手い先生は、意識するしないは別として、このような力を使っています。 深く刺す鍼も、こういう力を使うとスムーズに入りますが、この感覚がうまくいかないと深く刺そうが浅くさそうが中まで到達するエネルギーにはなりません。指先は、ある一定のしなやかさがありつつ脱力していなければなりません。
これができると深く刺す鍼も意味が全く違ってきます。言葉だけで説明するのは難しいかも分かりませんが、体幹で手足を動かすという感じに近いかも分かりません。
例えば面白いのは、手足を使わないラジオ体操を意識で行うというのは、面白いかも分かりません。 たまたまテレビでラジオ体操をやっているのを見たのですが、それを寝ながら手足を動かさずに行ってみました。これをやると体幹の動きがよくわかります。
全ての日常生活は、様々なヒントがあります。その日常生活から必要なものを抽出し、応用していくというのが技術です。できるだけ色んなものに目を凝らして観察していると、様々なことがつながっていきます。
本の中には、真実はありません。あるのは結果だけです。結果を見ても本質はわかりません。
本質は、かなり泥臭いものです。そして日常性津の中にこそ、それらは秘められているのです。
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