クレーンと腰痛2

足腰を強化する方法として一番重要なことは、手の力を抜くことです。腰痛になると、股関節のところに手を置いて立ち上がろうとする姿をよく見かけると思います。

この立ち方をすると、手が前に出せないので、自分の身体をクレーンでつり上げて支えているのと同じような状況になります。


逆に言えば、この姿勢が腰痛を作っているとも考えられます。それを止めさせなければ腰痛は良くなりません。つまり手で腰の変わりをしている訳ですから、手の重量が重くなってしまいます。


手の位置は本当に重要です。椅子に座った状態で手を前に出して、真っ直ぐ真上に立ち上がろうとしてみてください。

かなり下腹部に力が必要なことがわかります。手を下にした時と比べるとお腹にかかる力に違いがあるのがわかります。これは、クレーンのアームを引き起こす力と同じです。

この力がないと身体全体を前傾しなければ立てません。腰痛の時に椅子から立ち上がる時に身体を前傾して立とうとするのはそのためです。腰痛の人は、普段から腰が痛い、痛くないにかかわらず、身体を前傾して立つ「癖」があります。

そんな「癖」があると、僅かな重量のものをつり上げようとしても、手が重くて前傾してしまうので、足腰への負担は大きくなります。


腰痛を起こしたという人に、どんな状態で腰を痛めたかを聞いてみると、殆どの人が、急に立ち上がった時とか、軽いものを手で持ち上げた時と言うようなことを言われます。重いものを持って腰痛を起こしたという人は、意外に少ないのも臨床的事実だと思います。


これは、クレーンのアームが重すぎて、常にアームを支える為の力が本体にかかっているので、アームの重さで本体が前転してしまうのと同じようなものです。それで腰痛を起こしてしまいます。

これを修正するには、手の力を抜き、足腰に力を入れる座り方を普段から工夫していなくてはなりません。


これは痛みがあるなしにかかわらずです。そして、普段から腰痛があるなしにかかわらず根本的な力の配分として必要です。手先の力を抜いて、足腰に力が入る「癖」をつけるということがスムーズな日常生活には必要不可欠だと言えます。

腰痛持ちの人は、普段の生活を気をつけるだけで痛みを起こしにくくなります。

御薗治療院

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