日々の動作

例えば椅子に座った時に右足が左足より前に出るという「癖」を持っている人は、その行動が毎日、毎日くり返されることになります。


そして、その「癖」が正常だと感じるようになってきます。この状態が、下手くそが上手くなった状態と言えます。 メモリの基準が狂った定規みたいなものです。


身体が曲がっていると良くいいますが、「癖」だけでは身体は曲がりません。しかし、その癖が長時間続くと、徐々にそれが骨にも影響してくるということです。


体の感覚は、無意識のうちに記憶されるので、その動きを意識してあげなければ修正することはできません。そして修正しようと思えば何度も何度も、真っ直ぐの位置になるように繰り返す必要があります。ただ、それを繰り返しても、もし、その人の骨が曲がっていたら(先天的や怪我等の理由で)真っ直ぐにはなりません。動きの「癖」だけを変える必要はありますが、骨が真っ直ぐになる必要はありません。


「癖」を修正するには何度も何度も動きを上書きする必要があります。 年齢と共に、上書き能力が少なくなり、徐々に動きが固定化されてしまうことで「癖」が治らないと錯覚してしまうのですが、年齢に関係なく上書きは可能です。  


そういうことからも身体の感覚が日々新しいものに上書きされているということを意識している人は、注意深い状態と言えます。 下手だった記憶はなくなって新しい動きを記憶すると、それが徐々に書き換わって普通になります。そうすると下手だった動きが逆にできなくなるということです。 




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