姿勢については、何度も書いてきましたが、私が身体の記憶について強烈に感じたのは、20歳の時に姿勢に気をつけた時です。
伊勢市から名古屋まで急行電車で通っていたので2時間の間、何もすることがなく座り続けなければなりませんでした。1年生2年生の時は、だらけた状態でしか座ることができませんでした。またそういう姿勢でないとしんどいと勘違いしてしまっていたのです。
3年生の時に、それを修正しようと思い正しい姿勢を心がけてみました。具体的には肩の力を抜き足を閉じ、顎を引いて、やや腰を前に出すというだけです。 さすがにこの姿勢は、最初の頃は非常に辛いと感じたものです。しかし、無理やり頑張ろうとしないと決めた私は、そこで良いことを思いつきました。 それは無理やり正しい姿勢をしようとしないことでした。
正しい姿勢を取ろうと思った時に感じる違和感だけを感じていようとしました。例えば、腰を前に少し突き出した時に感じる腰の違和感や、肩に入る力を感じだけを認識するようにしました。決して逆らわず、無理やり行わないということを徹底したのです。
なぜそう思ったかと言えば、少しでも無理やり力を入れてしまうと、肩に力が入ったり、足が開いてしまったりするからです。そして長く続けられないからです。大事なことは続けると言うことと思って行いました。
無理をしないけど、諦めないということを集中して座り続けたのでした。その頃は既に四年を経過していた慢性的な腰痛があったわけですから、身体そのものは、かなりの緊張がありました。 しかし、その緊張を緩めるのではなく、緊張そのものを認識するように続けた結果、劇的に痛みが変化したわけです。
正しい姿勢が良いわけではありません。その時にそれに気がつきました。正しい姿勢を取ろうと思った時に起こる感覚に注意をしただけということです。 これは、今まで当たり前のように行ってきた身体の記憶を書き換えることです。身体に刻み込まれた記憶を書き換えるときに、強い力で書き換えようとすればするほど、それが反発になり、余計に違和感と痛みに変化してきます。それが代償運動の大きな特長です。代償運動は僅かな動きであったとしても長期間続くと、それがきっかけで何らかのトラブルを引き起こします。
強烈な思いは、必ず代償運動を起こすので結果的には、良くならない。しかし、強い力で書き換えようとしないで、とにかく続ける。続けられるようにすることができれば、 徐々に書き換わっていくと確信できます。
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