肩関節の痛み

看護師の患者さんで、私の本を読んでくれた人がいました。


肩関節の痛みを訴え来院したのですが、驚くべきことに、私が本の中で書いている六大関節の無負荷筋力検査のチェック法を自分なりにやってみて、表に書いて見せてくれました。 ここまでキチンとチェックしてくれた人ははじめてです。


そこで、あの本に書いてあることは、一般的な人の方法であって、ロックがかかってしまったような五十肩に対しては、効果が薄いですよと教えました。 

そして認識の話をし、痛みが起こるところまで動かす必要はないということを伝えました。  


次回来た時に、認識だけしてみましたと言う答えとともに、肩を動かしてくれました。殆ど後ろに手をが回らなかったのに、曲がるようになっていました。 認識をするぐらいの動きしか行わない方が効果が高かったということです。


認識をするということは、ある意味とても難しいことです。小さく動かそうと思っても、ついつい大きく動かしてしまうのです。特に体幹に近い肩や股関節、脊椎の動きはどうしても大きくなってしまいがちです。違和感を感じるだけでいいと伝えても、抵抗感を感じたり痛みを感じるところまで動かさないと絶対に良くならないと思い込んでいるのかわかりません。


認識するというのは、そういう衝動をちょっと我慢して行わないとできないことなのかもわかりません。それをやってくれる人は殆どいません。 わずかな動きで良いのに、痛みや突っ張りのある所まで動かしてしまうのです。それではよくなるものも良くなりません。なぜなら痛いことを反復するので、痛みを反復させて脳に記憶させてしまうだけだからです。


痛いのを我慢して動かしてくださいと整形外科では言われますが、あれは大きな間違いだと思います。 大きく動かした時に痛みを伴うので、代償運動をしてしまい、きちんと動かすことはできません。つまり下手くそが上手くなるのです。


小さく動かしても大きく動かしても使う筋肉は同じです。例えば手を後ろに 小さく動かしても、大きく動かしても、強さの違いだけで、使う筋肉はほとんど変わりません。 それならば痛みのない小さい動きの方が、何度もくり返してできます。そして痛みがないので、脳への信号は痛くないという信号が流れ続けます。


めちゃくちゃ簡単な事なのですが、誰もそれに気がつく人はいません。 例えば大きく動かして、痛みが楽になったとしましょう。元に戻ります。痛みが元に戻るように体と心は脳という中枢機関を使って再現しようとしているわけです。また頑張っているので、頑張ったから動いたという情報が流れます。そうすると頑張り続けないと駄目になってしまう訳です。


もちろん軽い痛みの場合は、そのまま治癒していくこともあります。 しかし五十肩のような、過緊張を起こした肩を一発で治すということは不可能です。というかやってはいけないと思います。


無理やり動かしてしまえば、後からその痛みは倍返しになって襲ってくることが多いと思います。それならば小さく動かして、 運動不足だけを起こさせないようにしてあげれば、苦もなく動いてくるということです。 


きっと殆どの人は物足りないと感じるでしょう。物足りないと感じるのは何故か?

明日書きます。

御薗治療院

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