力を抜くというのは本当に難しいことです。
わかっていてもできないのですから人間の身体は本当に不思議です。意識と無意識を分けて考える人が多いですが、無意識はもともと意識的に行われていたことです。
最初はできなかったことが、何度も繰り返すことで、身体に記憶され、それが無意識になっただけなのですが、できなかった時の記憶は完全に忘れています。自転車に乗れなかった時のことは思い出せないのと同じです。人が最初からできる無意識の運動は極僅かです。赤ちゃんを見ているとそれがよくわかると思います。もしかすると子供を育てる意味は、その記憶を親が呼び戻すことなのかもわかりません。その記憶は純粋で無垢なものです。それに触れることで親の気が活性化するのかもわかりません。
殆どの行動は、無意識の記憶から成り立っているということがわかります。この記憶を変えなければ問題を解決することはできません。つまり間違って記録してしまった動きは修正を加えない限り何度も繰り返してしまうのです。スポーツ障害もそのような理由で起こります。
間違った動きとは余計な動きのことです。目の前のコップを取ろうと思った時に一直線に動かしてコップを取らずに、外回しして取ってしまうような動きです。そんなことをしたら、当然疲れます。それは僅かであっても日々繰り返されていると負担になってきます。それがわかっているから私は運動を重視します。
その記録を塗り替える必要があるわけです。 力が抜けない理由は、そこにあります。力が抜けない人に「力を抜いて」と言っても言うだけでは力は抜けません。
それより小さい動きに集中してと言った方が効果的です。 この動画を見てもらうと、明らかに手首がおかしいと思うのですが、手首がやや硬いというような人でも、左右を比べると異常側は手の力が抜けません。
だから健常者に見えて、実は健常者だとは言い切れない訳です。
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