これも攻殻機動隊の一部のセリフです。
実は、このシーンの全体の内容を忘れてしまったのですが、YouTubeに、このシーンだけがアップされていました。
人を魅了して終わりのない映画を運営している老人と草薙素子の会話です。素子がこの映画を見て涙するシーンの後、老人と素子の会話です。
映画館の男
どうだった?
素子
確かに良い映画と言えなくもないわね。でも、どんな娯楽も基本的には一過性のものだし、またそうあるべきだ。始まりも終わりもなくただ観客を魅了したまま手放そうとしない映画なんて、それがどんなに素晴らしく思えたとしても害にしかならない。
映画館の男
ほう~手厳しいの~。我々観客には戻るべき現実があるとでも言いたいのかね。
素子
そうよ。
映画館の男
ここの観客の中には現実に戻った途端に不幸が待ち受けているものもいる。そういう連中の夢を取り上げ、あんたは責任を負えるのかね。
素子
おえないわ。でも夢は現実の中で戦ってこそ意味がある。他人の夢に自分を投影しているだけでは死んだも同然だ。
映画館の男
リアリストだな。
素子
現実逃避をロマンチストと呼ぶならね。
映画館の男
ふふ、強い娘よの~。
いつかあんたの信じる現実が作れたら呼んでくれ、その時、わしらは、この映画館を出て行こう。
ドラマの中に現実世界で生きていく為に考えるべき要素をセリフの中に入れ込んだとも言えます。現実世界は、0か1かというような単純なものではなく、グレーゾーンが一杯あります。
永続的な現実逃避することは意味はなく、延々と続くことは害でしかないと言っています。投薬し、現実から一時的に離れることは、決して悪とは言えません。
しかし、その逃避行動が延々と続いたら、害でしかない。
どこまで魅了する夢を見続けるのか?
現実世界で夢を現実にするのか?
そしてその夢を現実にした時、私達はどうなるのか?
夢を現実にした後の事も含めて、現実と向き合う必要があります。そして最後に迎える究極の現実は死です。しかし、その死は本当に現実の世界での終わりなのか?
考えられる疑問は尽きません。
たかがアニメですが、様々な疑問を残してくれます。実写版でないからこそ、こういう想定ができるのかもわかりません。
電脳化社会は本当に人々を幸せにするのか?
そもそも幸せの定義とは何か?
考えれば考える程に興味深いテーマです。
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