触診してますか?

触診してますか? 


触診は、人の体を探る為には欠かせない方法です。しかし、感じようとする範囲が違うと、うまく問題を検出することができません。


鍼灸治療の基本で腹診と言うお腹を触る技術があるのですが、同じ所を触っても意識の範囲が違うと同じ結果にはなりません。

これは何度も実験していますが、触る人によって触られる側は感じ方が違います。 


遠慮して触る人は、その感覚が伝わります。しっかりポイントを押さえてくる人だと、触られる側もしっかり認識でき安心感があります。触診のポイントは相手に認識してもらうことです。 ただ触る行為でもないし、圧痛を探す行為でもありません。異常を異常だと認識して貰えるように仕向ける行為です。  


お腹を触って、ここに圧痛がある場合は何々の処置をするという方式では問題は解決しません。特に初心者の方は絶対無理があります。この方法は、鍼灸を伝承していく上で一番の弊害になっていると思います。


まずは、Aという人と B という人では触るものが全く違うということを確実に認識してもらう実験を繰り返して、それを術者は認識しなければなりません。

触る側が同じ人であっても、何を触ろうとしているのかで感じ方も全く違ってきます。経絡を触ろうとしているのか、骨を触ろうとしているのか、筋肉を触ろうとしているのかで明確に違いがでてきます。意外にもベテランでも、それを明確にしてない人が多いように思います。


関節を動かす場合も全く同じです。何をもってこの関節を動かそうとしているのかが明確でないと、異常を検出することはできません。

大きく動かして可動域が異常だというのを相手に知らせる方法は、誰でもわかる方法ですが、誰でもわかるからこそ精度は荒くなります。つまり見える範囲が限られてくるわけです。 


小さくゆっくり動かしてこそ、その精度は上がりますが、これを感じるためには術者の気の活性が必要です。気の活性なんていう言葉を使うと説明が不十分ですが、意識が高まらないとそれを見ることも触ることもできないということです。 もちろん、気の活性が高まって意識が高まっても、何を意識しているかが外れたら何も見えません。それをキチンと見れるようになる為には、全体を見ることが大事ですが、それがそう簡単ではありません。    



御薗治療院

身体と意識の不思議な現象を体験してください

0コメント

  • 1000 / 1000