術者が変態(気の活性)する為には、そのきっかけをつかむことが一番重要になります。
その為の訓練のテーマがスピードです。
時間というのは気の界層構造をひとつ上がるための第一歩なのではないかと考えています。
鍼灸は時間をかけてナンボというサービス精神が旺盛な業種ですが、治すためにはそんなものは一切必要ありません。必然的に時間のかかる場合はありますが、時間をかけなければならないというのは単なる思い込みです。
YouTube で渋谷のスクランブル交差点の早送り映像を見てみました。人の行き来がまるで、生き物のように脈打っています。面白いなぁ~としばらく眺めていました。 この流れを高いビルから眺めれば、倍速にしなくても全体像が見えます。どこが混雑しているのか、混雑していないのかもわかります。常にそんなことを考えてやってきました。
高い界層の気を獲得していなくても、低いところで、スピードを早めるだけで人の流れが脈打っている姿を見ることができます。つまり新しい見方ができる訳です。
脉診や筋力検査の上手い人を見ればわかります。達人と呼ばれる人は診断のスピードは絶対に早いです。そこを見習わないで、その人のやり方ばかりを見ているから何の進歩もないのだと思います。
まずは、自分自身が変わらないと前にはすすめません。 鍼灸師があまりにも時間をかけすぎるのが一般的なので、ほとんどの人がその呪縛から逃れられません。だから、昔からの方法をそのまま継承し続けるのだろうと思います。
脉診の診断を1秒以内コンマ何秒で即決するという訓練を毎日していると、全体の流れが自然に見えてきます。高いところから見下ろしているのと変わらないようなものが見えてくるわけです。もちろん、それは一部ですが、キッカケになります。
ビルの階段を上って上から下を見下ろせば、地上に居た時とは全く違う景色が見えるはずです。そして、ビルの上から早送りをすれば、さらに人の動きが明確に見えることは間違いありません。 もちろん高いところからだけが良いと言っているのではありません。地上に居ないと見えないものもあります。
しかし、高い所に登って人の行動を観察してみると、あの人このまま真っ直ぐ行くと突き当たりになるなぁ~。というのもよくわかると思います。地上から見ただけでは決してわからないはずです。気の拡張というのは、ある意味、浮き世を離れるということなのかもわかりません。
脈診もコンマ何秒以内で決めるという訓練をしてみみると意外にできるものです。脉診未経験者は、絶対にやるべきです。その方が確実に脉診が上手くなります。それによって治療を組み立ててみると意外にスムーズな結果になっているのに気づくと思います。
腹診だけではありません。圧痛も同様です。触れるのはコンマ一秒、そうすれば自然に強く押さえることはなくなります。時間をかけない訓練は、一つの段階を必ず超えます。
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