足

運動選手の足を見ていると、その子の運動能力というのがある程度わかるようになってきます。

小学生の時から見ている子に「この子は絶対に運動能力が高いから、怪我さえなければ高校か大学で、能力を発揮するよ」と言い続けた子がいます。

その子のお母さんがやってきて、全国大会の決勝まで残ったという話を聞きました。 お母さんは私がそのようなことを言ったことを忘れていて、「そういえば先生に言われてたわ～」と思い出したようです。 

世界で活躍する子の足も触ったことがありますが、同じような感覚があったので、そう言ったのを今でも覚えています。やはりその感覚は間違いないなと思いました。そして、素質というのは本当にあるんだなと思う今日この頃です。

ただその素質を生かせるかどうかというのは、意外にも人との出会いかも分かりません。日本で活躍した子も小学生の時から来ていた子ですが、中学校の時は怪我に悩まされていました。

高校になって良い先生とめぐり逢い、ほとんど怪我をしなくなったので、来院することもなくなりました。

社会人になってから数回来た時に、高校の時の話をしてくれて、良い環境で練習することができて実力は上がったと思うと本人も言っていました。その子の話しが未だに忘れられません。

どんなに良い素材の子であったとしても、それを活かすも殺すも人次第なんだなと実感したことがあります。

その子も本当に良い足をしていましたので、必ず良い選手になると思っていた子の一人です。 時に頭を使い、一生懸命考えるタイプの子だったので、もっと環境が良ければ世界に行けたかもわからないと思える子でした。 自分の持っている能力を如何に活かせるかは、本当に出会う人によって大きく変わるのだと思いました。