大前提として治本法という経気は、全身に影響を与えるので、非常に重要な意味を持ちます。
ただ、治本法がより限定的であり全てではないということは、プログラムのパブリック関数とプライベート関数の説明と同じだと理解して頂けたと思います。
これをまず知っていなくてはなりません。 つまり、特性としてプログラムにおけるパブリック関数の働きと同じで細かい制御は無理です。
人間は巧妙過ぎるプログラムと同じですから、治本法だけでは、どうすることもできないということです。もちろん、治本法がなくては、プライベートで同じ処理を何度も書かなくてはならなくなります。これも非常に面倒なことであり、刺激数が多くなり、それなりに患者さんにも術者にも負担をかけます。そして、コードが長くなることで、煩雑になってしまうということです。
行いたい目的の使い分けが必要であって適材適所に配置するということが重要です。全体を何処に捉えるのかによっても治本法の意味は全く違ってきます。
全身なのか?
関節、筋肉全体なのか?
内臓全体なのか?
それとも全身を超えた体外全体なのか?
季節などの地球規模なのか?
宇宙規模なのか?
このスコープ(適応範囲)によって同じ経絡は同じ働きをしないということが、やってみれば簡単にわかります。つまり、穴の特性も違ってくるので、教科書に書かれているような作用はスコープによって違いがあるということです。
ベテランになればなる程、使う穴が少なくなってくるのはその為です。
この適応範囲のさせかたの意識の違いが初心者かベテランかの違いになってきます。 ベテランでも意図的にこれを使い分ける人は一握りです。
意識して使い分け、それを説明し再現させる人も一握りです。
肉体だけのスコープで留まるのではなく、その範囲を小さくしたり大きくしたりすることで、東洋医学を理解しやすくなるということです。
東洋医学は、季節やその人の感情にまで注視している訳ですから、これを理解しないで東洋医学とは言えません。
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