治本、治標、局所とプログラム5


ちょっと専門的になりますが、私も鍼灸師になりたての頃、経絡治療という不思議な治療法があると言うことから積極的に本を読んだことがあります。

あくまでも本を読んだだけなので、その全てはわかりませんが、経絡治療とは、この治本法を経絡にのっとって調整していく方法みたいです。


その方法の根幹にあるのは陰陽五行説で、非常にシステマティックになっていました。昔の人がこんなにシステムに拘って作ったなんて、信じられない程です。

私にとっては今は、一つの経気という立ち位置ですが、その当時は、経絡における五行(木火土金水)をとってみたり色々と工夫をしていました。 


プログラムを真剣に勉強してから経絡治療がプログラムで言うパブリック関数と同じだと気づきました。パブリック関数の働きと同じで、臨床では全体としては、役に立つことも多いのですが、全く役に立たないこともあります。

もちろん、役に立たないというのは言い過ぎで、今でも普通に使っています。いかに効率良く使うかということが重要になってきます。 いわば治本法は最大公約数です。同じ治本経気であっても、全身の隅々まで影響を与えるものもあればかなり限定的なものもあります。


できるだけ隅々まで影響する最大公約数のものを使えれば一本で改善することもあるので後々が楽です。 それでも、初心者の頃は限定的な効果に戸惑いを隠せませんでした。それでも、治本法の考え方を学んで良かったと思うのは、極小の刺激で身体は変化するということであり、それを実際に初心者であっても体験できたことです。


皮下に軽く刺さる程度の刺激を1~2本程度行うだけで、劇的な変化が起こるのも面白いところです。これを味わうと、刺激の量とは無関係に身体は変化するのだと理解できます。 

治本、治標、局所の考え方を取り入れないのは、きっとそういう経験をしたことがない人なんだろうなと思います。


物理療法なら鍼灸師がやる必要はありません。物理療法師に任せておけば良いのです。それで良くならない人や副作用のある人を対象にしているからです。そんな人は山ほどいて、どうしてもそういう方法でないと良い結果にならないことも多々あります。 



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