関節と三次元

関節は三次元として認識しやすいと思います。

一つの関節には、前後左右上下移動と倒れ、回旋があります。

可動域という考えからすると指先は単軸関節と言って、一方向にしか曲がらないとなっていますが、構造としては、前後左右上下の水平移動と回旋、倒れが起こっています。


この例の外反母指も母指の内側部が腫れていることから横方向に移動していると考える方が理に適っています。もちろん、横方向に移動しているだけではなく、回旋が入っていることから内側に腫れが強くなっていると言えます。(足背部のMP関節の内側は腫れますが、足底部の内側部は腫れていません)

右足の外反母指ですから、MP関節は、つま先側から見て右(母指側)に捻れていると言えます。


これは母指の指先の小指側が床から離れていることで確認できます。横滑りして回旋しているのは経絡を観察すれば歴然としています。母指に問題があれば、その捻れや横滑り、倒れをどこかで吸収しなくてはなりません。

構造として考えた場合、変化があったものをどこで吸収しているのかを考えたら、関連しているラインが見えてくるということです。


このような考え方をすれば、胸椎の中部が緊張している意味や、右上肢が動きにくいという意味も普通に考えたらわかります。

ただ、問題は、人間の身体は立体なので、力が内部で貯まることもある訳です。表面にでてくる経絡と内部に入る経絡が存在し、それが臓腑とつながっていると言う考え方を昔の人がしたというのは本当に驚きです。


しかし、実際に観察してみるとあんなふうに明確な経路ではありません。正しく言えば、その人の形によって経絡は歪むということです。そんなことは当然の結果だという考えをもっていないと、経絡を触ることはできません。経絡をわかりたいと思ったら、まずは関節のことを理解し、触診し、力の成り立ちをしっかり考えていく必要があるのではないかと思います。


経絡は目に見えません。目に見えないから在るとも無いとも言える厄介な代物です。このような考え方をすると、構造が内臓より単純な関節のことを知ることで経絡の成り立ちをしっかり把握できるようになるということです。

まずはわかりやすいことからはじめる。

ということが、どんなことでも重要です。




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