腰を痛めて、腰の痛みはなくなってきたけどお尻だけに痛みがある。
ピリッと走るような痛み、歩行時には痛みで歩くのが困難。
問題はズバリ、お腹の筋肉(横隔膜の一部、腹直筋、腹横筋、外腹斜筋)の片側なんですよね。
お腹の筋肉は何層かになっています。
一つの筋肉だけが問題なんて考えられないし、その一つが全部異常になるなんて考えられない~。
私はそう思うんですが、よ~く調べて見るとまさにそのとおりなんですよね。
座った状態で診察するので歩行をする前に臀部の痛みと関連する筋肉を調べます。
上腕二頭筋(腕の筋肉で力こぶのでるところです)が関連していました。
まあそれだけでも何?
って思うかもわかりませんが、この筋肉が一つの指標になるってことなんですよ。
お腹に手をあてると手をあてただけで関連する筋肉である上腕二頭筋の緊張がなくなりました。
お尻の痛みなのになぜ腕?
って考えるかもわかりませんが、実際足やお尻を触ってもそんなに緊張がないんですよね。
でも上腕はちょっとつまんだだけで痛みを感じます。
原因であるお腹に手をあてると、上腕二頭筋が緩み、腰もパンパンだったのが、急激に緩み、一部分のみになりました。
緊張しているところが悪いところでもない。
原因は他にあります。
痛みのあるお尻は緊張してないけど、腰はパンパン!!
それで背中から腕にまで緊張しているんです。
腰痛の場合、そういうことがよくあります。
お腹の筋肉がこの痛みに対してあきらかに関連があるということです。
関係のある経脉は胃経別で、通常のように胸やお腹の体表面を通るのではなく体内を巡っています。
経絡は、経絡図に書いてあるとおりに通るのではなく、体内に深くもぐりこんだり体表面にでてきたりします。
こんな図見たことありますか?
この経路が胃と関係あると言われているんです。
ほんとかな~?
って思いますよね。
これは実際に調べてみないと実感がわかないのですが、よく反応するのが足の三里という下腿にある穴です。
胃腸の調子が悪い時はこの穴が非常に緊張しやすい。
パンパンになったりするんですよね。
経絡には種類があるんですよね。
経絡、奇経、経別、経筋といった流れがあってそれぞれ独立して流れていると言われています。
経絡、奇経、経別は気水血とも関係があると言われています。
簡単に言えば性質ですね。
あとは熱や寒、虚実があります。
つまり経絡に様態があって同じ経絡でも性質があるということですね。
経別は血の流れと関係があり、身体の奥深くまで影響しています。
なのでこの経路とは違う経路を通るみたいです。
よく調べてみてわかったことなんですが、この胃経って奥深く入って左右反転するみたいです。
足から入って左右反転して、頭から出るんですよね。
臨床では経絡図だけみて穴を刺激しても治せるはずがないのは道理ですね。
体表面では外腹斜筋、このあたりに手をあてる感じで関連筋肉の上腕二頭筋や腰の緊張が緩みます。
外腹斜筋と腹直筋を同時にすすみます。つまり深浅で太さがあるということです。
腹横筋は一部のみを通ります。
横隔膜で軽く反転するような形で胃に入っていきます。
胃の一部分から食道を通って
Anterior longitudinal ligament(前縦靱帯)から胸椎を通って咽にいきます。
このまま上顎をとおって蝶形骨を反転して右のST8(頭維)からでていました。
お尻や腰は本当の問題ではなく、図の経路が悪くなって足の神経に影響を与えていたというのが答えでした。
もちろん、この症状の全ての人に適応する訳ではなく、適応か不適応を見極めなければなりません。
ただ、これだけの現象として証拠があるので、痛みは当然消えます。
一瞬ですね。
読み切れないと簡単な肩凝りでも治せないんです。
でも整形外科もサジをなげるような症状が一瞬で変わっていくのを見るとやっぱり診断って大事だな~って思います。
治療をした後、本人も目を丸くして、何が起こっているのかわからない!!
という顏をする訳です。
今まであった痛みが瞬間的に消える訳ですからね。
そりゃ~そう思いますよね。
これが適応かどうかを見極めるのは、お腹に手をあてて、痛みが出るように動いてみればわかります。
適応なら痛みが変化します。痛みが変化しなければこれが問題ではないということです。
他の異常が関係するということでしょう。
ただ複雑になってくると、この異常を治さなければ本当の異常が見えてこない場合があります。
その判断はやはり専門的な診断が必要です。
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