正しい間違い

私も自分が正しいと思ってることを行います。

それが本当に正しいかどうかは別です。 

ほとんどの人は自分が正しいと思っていることを行います。

その行いは身体の動きにも現れてきます。 

患者さんをよくよく観察していると無意識の動きというのは緊張や考え方にも影響してくるようです。

身体が緩むとそういう考えも少しずつ変わってきたりしますからね。  


例えば私がウェイトトレーニングのことを否定したとします。

そのことについて患者さんは私がウエイトトレーニングのことを否定しているということを知っているので、精神的な武装をするようになります。 

先生はウェイトトレーニングを否定しているけれども自分はウェイトトレーニングをしている。 

それでも先生に治療してもらうと楽になるので、先生の主張を曲げないように治療だけはしてもらいたい。 

そういう心理が働きます。


私自身はウエイトトレーニングが良いとか悪いとか極論を言っているわけではありません。

ウェイトトレーニングをするなら、体のことを知ってやらないと効果でないし、逆効果にもなりますよと言いたいだけです。 

ウェイトトレーニングを無闇に行うと逆に体の緊張が起こることは事実です。

それは私自身も体験していますし、経験のあるトレーナーに聞いてみれば無理やり行った人の末路を知ることができるでしょう。

しかし、ウェイトトレーニングをしたいと思ってる人にウェイトトレーニングは正しくないよという考えだけを教えても、そうなんだ~と表面上の相槌を打つだけで考えを変えようとは絶対にしません。 

そういう場合、片寄った動きをすると、どういう現象が起こるかを淡々と話していきます。

ウエイトトレーニングをしてる人に、ここが緊張しているよ。

この緊張している場所はほとんど使っていない場所です。使っているように思っていても使っていないところがでてきてバランスが悪くなる弊害がでますよ。

と言います。

このように軽く使うと緊張しなくなりますよ。

身体が軽くなるでしょ? 

だからトレーニングしていても力がでないのに軽く使うと力の一番出る状態になりますよと説明します。

実践して見せる訳です。


別にそれは患者さんに分かってもらいたいからではなく事実を事実として目に見える形で伝えたいからだけです。 

人の心理というのはおかしなもので、そのように接されても、その人の心に大きな影響を与えるわけではありません。 

そこがとても面白いところです。


事実を目の当たりにしても考え方を変えることはありません。

私はそれはそれで良いと思っています。

急に考え方が変わるような人って逆に深くまで浸透しませんからね。

変わらなくて良いし、変わる必要もない。

でもどこか心の片隅にでも何か疑問を感じてもらえたら良いかなぐらいに思っています。

そこから少しずつ変化してくる可能性があるからです。


それもなしにいきなり変えようとしたり、そんな考え方はおかしいと否定したところで何も発展はありません。

食事などの指導も同じかなと思います。

そう簡単に習慣を変えることは人はできません。余程何かがない限り急に変えることはありません。

急に変わったから良い訳でもありません。

急に変わったものは急激に元に戻ることがあります。

このことも身体から教えてもらいました。



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