東洋医学をやっている人って頭の良い人が多いって以前書いたことがあると思います。
医業類似行為と言って医師以外で人の身体に触って業となす人ですから、意外にそういう人が多いんです。
そんな人が東洋医学を勉強すると、理屈に嵌まってしまう人が結構います。
だから今回のような現象があると言ってもあまり受け入れようとしない人が多い。
理屈こねる前にもっとシンプルに考えて欲しいなって思います。
天枢穴の呼吸をやってみてください。
天枢の意味がわかるのではないかと思います。
腹式呼吸で丹田に呼吸を入れるとか言いますが、丹田ってなに?
どこにあるの?
解釈は色々です。
臍下三寸(臍から四本指分下)にあるとかないとか・・・。
そのあたりの奥にあるとかないとか・・・。
色んな解釈があります。
穴で言えばCV4(関元)という穴あたりかな~。
そういう無駄な議論はおいておいて、関元穴を同じように複式呼吸してみてください。
これは天枢穴より難しい!!
まず腸骨が後傾している人はやりにくいし、あぐらをかいて行うのは難しいです。
腹式呼吸をネットで調べるとあぐらをかいて座って行っている写真とかでてきます。
でも基本的にあぐら姿勢では実感するのが難しいと感じます。
なぜなら、関元を凹ませるには仙骨や腸骨がある程度前傾し座骨の前の方で座っていないと意識しにくいからです。
床の上で普通にあぐらをかくとCV4(関元)には力が入りにくく大腿内側に余計な力が入ってしまうことが多いというのがわかります。
同じあぐら姿勢でも少し高めの座布団をひいて座るとCV4(関元)には力が入りやすくCV4(関元)の腹式呼吸がやりやすいことがわかります。
つまり骨盤の位置関係とCV4(関元)呼吸はつながりがあるということです。
また関元は身体の中心に穴があります。
しかし、中心というのは一点ではなく、右中心と左中心があります。
関元のごく僅か右側を意識してみてください。
次に左側を意識してみてください。
あきらかに天枢穴を意識した時とでは深さに違いがあるように私は感じます。
丹田は腹部の中にあるというような説明を聞いたことがありますが、このことを言っているのではないかとも思いました。
左右でやりやすい方とやりにくい方があるのがわかると思います。
右の関元穴を意識すると右の大腿内側から足の母指側、腹部を通って肋骨下部から背中を通って上腕外側にも響く感じがでてきます。
天枢より大きな回転は起こりませんが、肛門が絞まり仙骨がやや捻れるような感覚があります。
そしてここを意識してもらうと自然に仙骨が前傾しやすくなり、楽な姿勢をとりやすくなります。
また立位で行うと全体的に前傾(前側に体重がかかる)感覚が強くなってきます。もちろん手が下がり肩の力も抜けてきます。
難しいですが、関元と内側に向かう力にはなにか関係があるのではないかと思いました。
また息を吐いて解放すると大腿外側、手の内側に影響が出るみたいです。
関元穴で手足の伸筋屈筋が呼応するように動いているのではないかと推察できます。
穴の解釈はこのような実感を伴って行うことが重要であって、その実感から様々な現象が起こったことを書いたのが古典だろうと私は思っています。
実感の後に解釈があり、それが理論となったのが東洋医学であると私は理解しています。
だからもっともっと実感を伴う解釈が必要なのではないかと思っています。
実感を伴うには知識が邪魔になります。
得た知識を捨ててこそ実感があります。
シンプルに考えるというのは、順番を間違えないということでもあります。
実感があってこそ解釈がある訳です。
それが理論になって推測が起こる訳です。
推測はあくまでも推測であって実際とは違うということもあります。
推測をごり押ししたり無理やりあてはめたりするんじゃなく推測はあくまでも推測と受け入れることが必要なのです。
丹田は動かしてこそ発揮します。
だから単純に丹田の位置を特定するというのは違うのではないか?
ということも推察できます。
丹田を右に左に動かすと仙骨や座骨の中のあたりが動こうとします。
つまりインナーマッスルと呼ばれている筋肉を鍛えることになるのではないかと思います。
常に意識は動いています。
動いていなければならないのに止まっているかのように考えるのは錯覚だと私は思っています。
だから目には見えない経絡や穴は、意識によって動くということなんだと思っています。
0コメント