記憶

本当に記憶って不思議だなって思います。

自分という過去の記憶があって自己が存在するわけです。  


テレビドラマや映画では主人公が記憶喪失になって、過去を思い出すことで自分を取り戻していくなどという甘いストーリーがありますが、実際には全く違うみたいです。 

記憶喪失の人は普段からかなりの苦痛を伴い通常の生活ができるかどうかすらもわかりません。

私も信頼できる友人から聞いただけで実際に見たことはありませんが、相当苦しいらしく、過去の記憶を思い出す時などは嘔吐を何度も繰り返してしまうそうです。 

もちろん普通の生活(当時は学生)なんて出来ません。

これは相当苦しいと思いますよ。  


脳の仕組みは、科学ではまだまだ分からないことだらけです。

脳の仕組みがわかったとしてもそれを修正する方法が確立されなければ、決してわかったとは言い切れません。 

しかも個人的な過去の記憶と関係があるので、ケースバイケースだと思います。 

ある人にはよくてもある人には悪いというようなことがたくさんあるだろうと思います。 

投薬もその一つですね。

だから投薬で簡単に良くなるはずがありません。


ちょっと考えてみてください。 

例えば知らないところに車で行って道に迷ってしまった場合どうでしょう? 

道に迷うということは過去の記憶を一時的に喪失してしまうということと同じです。 

道に迷ってさっき通った道と同じ道を通っている時ってありますよね。 

それだけでものすごく不安定になりますよね。

時間が迫っていたりすると予定どおりに着くのかとか、あちらで準備する時間とか頭の中でグルグルする。 

きっとブレーキをかけて位置を確認している間は不安になってしまうと思います。 


たったそれだけの記憶の喪失でも不安になるわけですから、過去の自分を思い出せないなんて想像もできませんよね。 

自分の立ち位置を見失ってしまう訳ですからね。


自我と記憶には密接な関係があります。 

記憶喪失とは別に記憶が鮮明になりすぎたらどうでしょうか?

それもまた困った問題です。

それもかなり疲れます。

一種の病気ですね。


例えば記憶を全くなくして自分の体の感覚だけになったらどうでしょう。 

きっと体はかなり痛みを感じたり、わずかな音でも敏感に感じたり、食べたものが強烈な味がしたりするのではないかと思います。 

何の準備もなくそんな状態になってしまうとかなりの恐怖感を伴うと思います。 

パニック障害ってそういう状態に一瞬陥ることで起こるんじゃないかと私は思っています。 

パニック障害だけではなく、あらゆる精神疾患ってそういうことなんじゃないかと私は思っています。

一瞬自分の立ち位置がわからなくなってしまうことから起こる体の超絶な感覚が一つの大きな要因で動悸や目の前が真っ白になった感覚に陥るのではないかと思います。

パニック障害の人が、あちこち体の痛みを訴えたりすることがあるのはそのためではないかとも思います。 

それが何らかのきっかけで感覚を思い出してフラッシュバックし症状を何度も繰り返してしまうのではないかと思います。       


身体の感覚に注意を向ける時間を増やすというのは薬に頼らない一つの効果的な方法です。

痛みがあれば、痛みとともにあることです。

それから逃れようとする思いは、逆効果です。

余計に心拍があがり動悸につながります。

それを夜思い出せば不眠にもなります。


全て一連の症状ですから、一つ一つの症状に囚われないことが大事ですね。

と言ってもそう簡単ではありません。

それでも生きなきゃならないんで、覚悟を決めることが大事ですね。


これも記憶のなせるワザです。

記憶ってホントに不思議です。


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