風邪をひいて抗生剤を処方されて飲み続けていたところ、1週間ぐらいしたら足が臭くなった。
という症例の子供がいました。
ありえるな~って思うのですが、腸内細菌が乱れると足が臭くなることがあるそうです。
蚊に食われやすい体質の人って足裏に特殊な菌が存在するからというのを高校生が発見したというのが話題になりましたよね。
これは、足の裏の常在菌の種類によって起こる現象だということなのですが、抗生物質を飲んで腸内細菌のバランスが崩れ、足の常在菌も、それに伴って異常を起こすことで臭くなるということもあるでしょうね。
抗生物質が皮膚や腸の常在菌を乱すことは普通に考えられます。除菌してしまう訳ですからね。
その逆もありえます。常在菌ってバランスが難しいですね。
日和見菌が善にも悪にもなりますからね。
母親曰く、靴を脱ぐと玄関全体が臭くなる程の臭いだったそうです。
幸い抗生物質をやめると徐々に臭いもなくなったそうです。
医学的には口腔や、食道、胃、腸の内部は外と考えます。つまり皮膚と腸はつながっていると考える訳です。これはホントに正しい考え方だと思います。
その一部分の常在菌が異常を起こしたと考えられる訳です。
身体の反応を診て、皮膚から口腔をたどっていくと口腔の右上、左の舌下腺を含んで、食道は左前側を通る感じで異常な反応がありました。しかし反応は薄いです。
胃も噴門部の右前側を薄く通って十二指腸から空腸あたりで最大になるような感じです。
そして大腸には反応はあまりありませんでした。
空腸あたりで最大になることからお腹の圧痛もでるのかなと思います。
常在菌のアンバランスも腸全部にあらわれるのではなく、やはり部分的にあらわれるんだなと再確認しました。
部分的にあらわれるから姿勢にも影響するんじゃないかと思います。お腹の片側が緊張すれば、当然姿勢も傾きますからね。
お腹の緊張は、お母さんにも確認してもらいました。
軽く触れる程度でよくわかります。
プロでもタッピングは難しいと言われていますが、お母さんは一発で異常を察知しました。
もちろん調整後のお腹の緊張もみてもらうと「ほんとや~」って変化に気づいて貰えました。
もちろん、今まであった皮膚や腸の反応も消失していました。
長引く咳で抗生物質を飲んだりすることがありますが、それによって腸内細菌や皮膚の常在菌が問題を起こすことがあり、姿勢にも変化がでてくるということなんだろうと思います。
必ずではありませんが、そういう場合もあるということです。
逆に腸に異常な菌があって姿勢が悪くなっていたものが抗生物質を飲んで良くなることもあります。
つくづく使い方なんだなと思います。
子供の感受性は顕著なので、大人以上に注意が必要だと思います。
新薬
抗生物質も出た当初は画期的な新薬だった訳です。今では抗生物質を否定する人はいないでしょう。私もそう思います。
しかし、新薬として出た当初は、やっぱり副作用の強い系列の抗生物質もありましたが、その存在は副作用がでてからしかわかりませんでした。
それを経験し、改良して、今のようなものにたどり着いた訳です。
つまり、そんな副作用があることは、その時点では誰も予測できずに効果だけが吹聴された訳です。
そのおかげで副作用に苦しんだ人がいたことは確かです。
覚醒剤のヒロポンも、合法的に売られていた時代があった訳ですから驚きますよね。
疲労をポンとなくしてくれる薬として販売されていたそうです。凄い話しです。サザエさんを書いた作者の初期の漫画にもでてきたことがあるそうですから日常的に普通に売られていたというのがよくわかります。
昨日の話しの続きにもなりますが、この例のように新薬がリスキーなのは間違いない話しです。きっと、それは誰も否定できないでしょう。
思慮深い医師なら必ずそう思うはずです。効果がある薬なら尚更です。
リスクも大きいと考えた方が賢明です。臨床試験を終えているから大丈夫という過信はもっとも危険だと言うのは、このような歴史も物語っています。
リウマチの新薬についても以前書いたことがあるので、読んで見てください。この新薬についてリウマチ専門の医師も疑問を投げかけていました。
何が起こるかわからないから慎重にと言うことです。
もちろん新薬を全否定している訳ではなく、かなりの慎重さが必要なのと、使用する時の心の覚悟が必要ということです。
昨日も書きましたが、その覚悟のない人は、やめた方が賢明だと私は思っています。
もちろん新薬だけではありません。
薬には必ず副作用があります。それも否定する人はいないでしょう。好むと好まざるとにかかわらず、表の作用と裏の作用があるということです。
どんなことでも慎重さを欠いた過大な評価は、時として裏目に出ることがあるということです。
科学的データがあるから絶対大丈夫という訳ではないし、経験があるから大丈夫という訳でもない。
むしろ科学的データがあるから大丈夫と過信することは、裏目に出ることがあるから注意が必要ということですね。
しかし、最初に製薬会社から医師に売られる時は、科学的データしかないから、それを過信してしまいやすいというのもあります。
世間全体で見てみると、知らず知らずのうちに科学教に入信している人が多いような気がします。
注意して欲しいなと思っています。特に数字で示されると人間は簡単にバイアスがかかってしまいます。
昨日の話もデータを見せられて、文章にされると過大評価してしまいやすい。というのを例として、書いた訳です。話しの主題はそこにあります。
また、逆に人をバイアスがかかっていると批判する人程、簡単に数字で騙されたりするということです。人の心理ってホントに面白いです。
私も昨日の元記事の最初の部分を見て一瞬はええ~って思いましたからね。自分自身も注意が必要な人間なんだなと思います。(^^;
そういう目をもって最新データ、科学的データという名前の情報を見る目を持って欲しいなといつも思って書いてます。
肯定か否定かという単純な議論ではありません。そんな極論を書いた覚えもないですが誤解するといけないので書いときます。
私は科学の発展はむしろ大いに推奨しています。というか人間の性だから止めることはできないとも思っていますので全く否定はしてません。そして、自然だから絶対安全だとも思っていません。
しかし、良くなるものには必ず悪くなる作用があるのが世の常です。その原理からは、いくら科学が発展しても逃れることはができないという思いはあります。
そして、新薬にしろ、既存の薬にしろ、鍼灸の治療であろうと、漢方薬であろうと、その考えは全く同じです。
だからこそ、薬における過大評価や過剰投与、また手技による過剰刺激には、やはり注意深さが必要だということです。
作用があれば必ず反作用があるということです。
そして、それらを長期間投薬するのは、西洋薬、漢方薬を含めて、その必要性をもっともっと考慮した方がいいですね。
ホントそう思います。
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