手は、足より器用で自由に動く為、制御を強いられます。
そして、制御だけでなく力を出すことも求められます。
その仕組みは、昨日説明したように上腕二頭筋と上腕筋の関係にあると思っています。
力こぶが出来るのは、その結果です。
しかし、それだけでは、力を出すには不十分なのではないかと思います。
背中を壁にくっつけて上腕が後に動かないようにしながら、物を持つと力がいるのをご存じですか?
上腕二頭筋を鍛えるのに、肘を固定してダンベルを上げるのですが、肘をフリーにして挙げるより、キツくなります。
つまり図に示すように肘を曲げるという行為は、肩関節の伸展を伴っているのが普通だということです。このようにして力を出しているということです。
筋肉だけで力を出しているのではなく、支点である肘を肩で移動させて、挙げやすくして曲げているということです。
それを自然に行っています。
だから、肘を曲げるという行為は、肩の伸展とセットで考えなければなりません。
人間は様々な工夫をすることで、関節を曲げやすく、尚且つ制御しやすいようにしていると考えられます。
軽いものを持ち上げるだけなら、肩を伸展しなくてもできるはずですが、軽い物でも無意識に肩を動かしています。もちろん、重いものを片手で持ち上げる時、対側の足に体重をかけて持ち上げようとするので、体幹や腰足にも連動した動きがあって、物を持つという行為につながります。
だから、肘が痛くて、反対側の膝を治療するということも考えられる訳です。
一つの異常が、どのようにつながっているのかを観察することで、症状が改善されます。刺激は一瞬なので、なぜそうなるのかを理解できない人も多いのです。
騙されているような感覚になるみたいです。
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