意識は大事だと何度も書いていますが、わからずに体を闇雲に動かしてる人は少なくないでしょう。
運動すれば健康になるというのは神話だと思いますよ。
歩行の話でもわかってもらえたと思いますが、どこに意識を向けて歩行するのかということが大事で、それが歩行の本当の目的です。
歩き方に注意を向けると、逆に歩行の仕方が、おかしくなるというのは、この前書いたとおりです。
なので無理に歩行の仕方を変えるというのも逆効果と言えなくもない訳です。
立ったり座ったりという静止状態と運動の決定的な差です。
もちろん立ったり座ったりも立ったり座っていようという目的がありますが緩やかな目的なので、身体に注意を向けやすいし、身体に注意を向けるだけで座り方や立ち方が変化しますからね。
移動や運動は必ず目的があります。歩行はあくまでも、 目標の地点に 身体を移動させるということです。 歩き方に注目すると、本来の意味を失ってしまいます。
走るとかすかな痛みがあることに気づき、足を痛めない走り方は?
と思って自分で調べたという方がいました。踵からつくことだということを 、テレビだか雑誌だかで 見たそうです。
それを真似して 走ってみると、さらに痛みが激しくなり来院されました。
一番の問題は、走り方に注目したから起こった弊害です。
足に気を取られすぎてしまって 本来の目的である目的地に着く為の走り方ができなくなった為に起こったのが悪化させた原因でしょう。
それで上半身の動きが極端に悪くなったみたいです。本来手足は連動して動きます。足に気をとられて動きが偏ると、その動きは手にまで波及していきます。
胸も緊張して呼吸まで落ちていました。
もちろん走り方で楽にも苦痛にもなる訳ですが、 走るという行為は 目的地に歩行以上に早く着く ということ以外にありません。
これをスポーツとして考えた走りは全く違ってきます。
それは、いかに早く目的地に着くのかということが目的になるからです。それは他の人との比較があります。車と競争しようとする人はいないでしょう。
スポーツで一番問題なのは、この相手との比較です。比較からは緊張が生まれます。
この緊張から身体が固まる訳です。つまり目的が相手に勝つことになってくる訳です。
これが歩行と走るということの決定的な違いです。例え完走だけを目指したマラソンでも同じです。
10km 走るのに20時間かかってしまったら、マラソンとは言いませんからね。完走するにしても最低のスピードを確保できなければなりません。
歩行でも目的地につけるはずなのに、更にその時間を短縮しようとし、しかも他人との比較をするのがスポーツです。意識が複雑になるのは当然です。
しかし、立ったり座ったりが、キチッとできないのに、歩行より早く走るという行為をして正常でいられるはずがないのです。
マラソンをして、どこかを傷めたらまず基本動作から修復しなければなりません。それは座る立つです。
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