やっぱり風邪って万病の元だと思います。
要するに炎症反応だと思うのですが、燃えさかる炎とジワジワ起こる炎があり、ジワジワ燃える炎は消えにくい。一気に熱があがる風邪とジワジワくる風邪は、治るのに時間が違います。
徐々にくる風邪は入り方によっては、本当に長引きます。
12月の中頃に風邪をひいて、病院へ行ったが抜けきらない感じがあり来院しました。
その後、調子が良くなり楽になったが、腕の重み、腰の痛みが残ったという状態です。足のだるさは楽になったそうです。
早く治りたいという気持ちはわかりますが、どうしても時間のかかるものはあります。切り傷を一瞬で治せる医者はいません。当たり前の話しです。
腰の痛みと言っても酷いものでもありません。ジワジワくる熱による腰痛は、ある意味急性の腰痛よりも治しにくい。
それは全体的な体力の低下があり、体力が戻ってこないと良くならないからです。
全体と関係があるので、問題点をしっかり把握し、射抜くような感じで調整しないと、無闇な刺激はオーバードーゼになって治療をすることで逆に長引く場合があります。
熱があるからということで、無闇に解熱させると逆に調子が悪くなるのと同じです。
身体を捻ってもらっているのは、経筋系の調整をしているからです。
物理刺激はしていないので、身体を捻ってもらっただけです。
この刺激だけで全てが良くなった訳ではありませんが、刺激前と同じように確認してみると、確実に状態を変化させられました。本人もそれを確認しています。
強い刺激が効くのではなく、何がどういう状態になっているかを把握し、認識することで、治療によるダメージを最小限にして調整することができます。
治療家が、まず知っておかなければならないのは、刺激というのは、薬にしろ鍼灸にしろ、本来は必要のないものを与えているということです。
運動も同じです。やれば良いのではありません。
刺激は毒です。
薬は毒というのはよく聞く話しですが、薬だけでなく、鍼刺激も灸の刺激も、マッサージによる刺激も関節のアジャストも運動も本来は必要ないものです。適度に行ってこそ効果をあげるし、生命力の強化にもなる訳です。
どれぐらいが適当か?
そんなのは、絶対に基準を作ることはできません。
あくまでも、その人の状態による。
なのです。
その人が刺激を求めるからでもありません。
患者さんが薬を欲しがるから薬を出すなんていう医師はいないと信じたい。
沢山、鍼を打って欲しいと言うから、沢山鍼を打つなんていう鍼灸師はいないと信じたい。
(まぁそれもケースバイケースなんだろうなとは思いますが・・・)
刺激が強くなれば、逆の作用が起こる可能性は高くなり、刺激が難しくなります。
本当の強刺激を行える人は、相当な技術が必要だと思います。
だから、不必要な薬や不必要な刺激は、「百害あって一利なし」です。
それを忘れてはならないと思います。
なんのために鍼を打つのか?
なんのために投薬するのか?
その結果、どうなる可能性があるのかを明確にし、刺激をするということが必要です。
これはなかなか難しい問題です。
難しいから避けるのではなく、難しいからチャレンジする。
そんな鍼灸師が増えてくれることを願っています。
そのお手伝いという意味でも勉強会であり手ほどき会であるセミナーを開いて、その技術の一部を伝承し、そういう志しを持った治療家が増えて欲しいなと思っています。
次回は、2月16日東京です。
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