不安と呼吸法3



昨日の続きです。

鍼灸の専門家なら、状態把握をするという意味が何を意味するかが理解できるはずです。


何の為に脉診をするのか? 

何の為に腹診をするのか? 

舌診は? 

圧痛は? 


これらは、身体の状態を東洋医学的に把握する為です。しかし、状態を把握しようとすることは、かなり時間と手間がかかります。そして、それができたとしても、治療効果につながりません。

というか、それが治療効果につながらないと思い込んでます。

だから、状態を把握しようとする人は少なく、治療法を学んでしまおうとします。上っ面だけということです。


しかし、事実は、状態さえ把握してしまえば、調整するのは決して難しいことではありません。状態がわかれば、何をすべきかも見えてきます。


方法論は世の中にいくらでもあります。しかし、状態把握をする方法は、ホントに限られています。状態を把握しないで治そうなんて、ホントに愚かな話しです。 

何々の病気には、何々の薬、穴が効果がある。

というのは、その病気に対して、その薬や穴は、確からしい。        

と言うことだけです。みんな印象操作で、大きく誤解しています。多分、この病気は、この処方で、合っている確率が70%だとは言えますが、100%だとは言えないのです。100%だと思い込んで発言すれば、当然、それで失敗した人から反発されます。現実的には、4割あれば、かなり良い成績です。

西洋医学の薬も70%良くなると言う薬って稀だと思います。


菌の感染症に対する抗生物質ぐらいじゃないですかね?

状態を把握することで、よりキメの細かい治療ができる可能性があります。それは副作用を出来るだけ少なくした方法と言えます。


呼吸は、上中下、前後左右に区切ったマッピングを行い、自分の呼吸がどんな状態になっているのかを知ることです。そして、効果的な呼吸法を試してみて、その方法が、今の自分の状態に対して、合っているかどうかを把握できる訳です。ただ呼吸法を学んでも何の意味もありません。知識が増えるだけです。それが足かせとなって余計に迷う原因を作ってしまいます。


感覚を鍛えることは、西洋医学におけるCTやMRI、血液検査と同じです。CTやMRIでもわからないことが一杯あるし、正確ではありません。感覚も間違えてもいいのです。しかし、西洋医学の良いところは、間違っているかもわからないが、今ある手段で精一杯状態の把握に努めようとしていることです。

東洋医学で重要なことは、感覚を総動員させて、間違っていても良いから、感覚を研ぎ澄まそうとするということだと思います。


東洋医学も、そういう姿勢を貫いた方が良い。失敗は成功の元ですからね。感覚の蓄積によって得られる分析は、きっと後世に伝わりやすいと思います。それができた上で古典を読めば、実感が更に増します。そして、自分の能力の上で、何が必要な知識で、何が不必要な知識なのかがわかるようになってきます。

難解なものを、いきなり理解しようとするからわからなくなって迷う訳です。それを繰り返すと、経絡や穴というのを理解しようとせず、確率された方法論を安易に実行しようとしてしまいます。だから、いつまでたっても前に進めないんだと思います。

もっと、もっと基礎的な感覚を磨く方法を、これからも専門家の勉強会で行っていこうと思っています。それが結局は、東洋医学のレベルを押し上げると信じて疑いません。


どう感じたか?


これは、あなた自身の問題であって、他の人と共有できる問題ではありません。これが統計では現れてこない、あなたのみの呼吸法になる訳です。

御薗治療院

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