認めることの難しさ

今回の話しでは、股関節伸展時に足首を固定すると、予想以上に伸展角度が少ないというのがわかってもらえたと思います。


なぜ、何回も指示しているのに、腹臥位で股関節を伸展すると足首の位置を変えてでも伸展角度を大きくしてしまうのかということです。実は、ここで問題になるのは認めることの難しさという精神状態です。つまり、関節が柔らかいとか硬いという問題ではなく、伸展する時の精神状態です。


関節が動かないということを認める事は本人にとって意外に難しいことです。特に股関節は日常生活では、かなり伸展しているので、そこまでは動くはずという予測の元に動かしてしまいます。

足首を固定してしまうと股関節伸展の可動域が小さくなるということを認めたくない訳です。だから不正な動き(ルールを無視した)になってしまう訳です。


これは股関節伸展のみならず、五十肩のような拘縮した肩関節にもでてきます。いつも動いていたはずの肩関節が動かなくなったので、無理やり動かしてしまうことで、痛みが長引いてしまう訳ですが、そのやり方を変えずに無理やり動かしていると、なかなか治りません。特に夜間痛が治りません。


それに気づくかどうかということが一番問題です。

つまり認識です。認識を使った調整では、MBR法がかなり効果的です。認めて元に戻して思い出すというのを繰り返す方法なので、大きな負荷は必要ありません。それでも関節の動きはスムーズになります。これは、ここまでは動くはずだという記憶を書きかえる方法だからです。冷静に物事を見るということです。


人は思った以上に頑張ってしまうことに慣れています。曲がらないことを認めたくないという精神状態が、余計に動きをぎこちなくさせてしまっているのです。この問題の焦点はここです。

だから小さく綺麗な動きをしようと思ってできなくても、それができないなと認められる人と、認められない人では、その後の動きが全く違ってきます。頑張って不正をしてでもやろうと思うと、なかなか上手くできません。自分を見る。観自在ですね。


このような現象はスポーツでもよくある話です。力を抜けないがために、うまくいかないことがよくあります。 日常生活でも無理矢理動かそうとすることで、スムーズな動作ができなくなってしまって腰痛や肩凝りが起こるのです。それを止めないとはじまりません。

どれだけの人がこの事実に気づくか今後を見守っていきたいと思ってます。


御薗治療院

身体と意識の不思議な現象を体験してください

0コメント

  • 1000 / 1000