足首と股関節

足首を固定されると股関節の動きが変化するというのを書いてみましたが、股関節脱臼の方は、必ず足首の問題が強くなります。


何十年も前ですが、とても印象に残っている方があります。

先天性股関節脱臼を起こしていて、歩いて痛みがあるという方でした。その当時は、まだ股関節と足首の関係性は認識しておりませんでしたが、よく観察してみると足首が股関節よりパンパンで動きが悪かったので、股関節ではなく足首を調整しようと思い、足首にテーピングを行うと股関節の痛みがなくなっていきました。

その時に足首と股関節はつながっているんだなと実感しました。


足首の動きをよく観察し、足首を動きやすくさせると、股関節だけでなく、腰痛や肩凝りも軽減するということにも気づきました。当時は、そんなこともあるんだなと思っていたぐらいでしたが、後になって、これが大きな意味を持っていることに気づきました。


昔から関節の生理で有名な本があります。それは「カパンディ 関節の生理学」です。これを読んでみると距骨の動きと脛腓関節の動きが、かなり他の関節とは違い特異的なことを知りました。

学校で解剖を習っても、これが臨床でどんな役割をしているのかを教えてもらう訳じゃないので、こんな小さな骨が全身に影響を与えてるとは思いません。一般的なことしか学ばないので、その重要性というのを知ることはできません。

たぶん、学校で習うような知識だけで現場に出ても何の役にもたたないというのがよくわかる例だと思います。


そこで足首の動きを観察する方法というのが重要になってきます。方法は、触診と小さな動きです。

この方法によって足関節の動き全体を知ることができます。また関節の動きの特長も知ることができます。この方法なら他の関節も大きな負荷をかけないで評価できます。

感性を最大限にして、集中して観察すると本には書かれていないことが一杯わかるようになり、全体的なパターンも理解できるようになってきます。






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